夫婦や親子、兄弟などで資金を出し合って不動産を購入し、共同名義にするというケースも珍しくありません。
不動産を共同名義で購入する方法や、メリット・デメリットについても詳しく解説いたします。
不動産を共同名義で購入する方法
共同名義とは、不動産を複数の人が資金を出して購入をした場合、出資を行った割合に応じて、持ち分を決めて所有権を共有することです。
共有名義で不動産を取得することになったら、出資を行った人の間で話し合って、持分の割合を決めます。割合に応じて共有名義の登記の手続きをします。
購入する時に、頭金を出した金額や、住宅ローンの支払い金額によって持ち分を決めることが一般的です。
不動産を共同名義で購入するメリットとは
共同名義にするメリットとしては、どのようなものがあるのでしょうか。
以下の3つについて解説をいたします。
住宅ローン控除が受けられる
住宅ローン控除は、住宅ローンを組むと、年末の住宅ローン残高に対して、10年間減税されるという制度で、所得税と住民税が減税されます。
共有名義となっていて、住宅ローンを別々に払っている、もしくは、どちらかが連帯債務者となって、住宅ローンを組むことによって、どちらともが持ち分比率によって控除の適用が受けることができます。
売却時に節税できる
購入した不動産を売却する際、売却によって利益が発生すれば、その分税金がかかることになります。
単独名義の場合に受けられる特別控除は3,000万円までとなっていますが、たとえば夫婦2人での共同名義であれば、控除額が2倍の6,000万円までとなりますので、大きなメリットとなります。
相続税の節税ができる
所有者が死亡した場合、名義が単独ですと、不動産における評価額がそのまま課税されることになります。
共有名義ですと、死亡した方の割合だけが課税の対象となりますので、節税することができます。
不動産を共同名義で購入するデメリットとは
共有の名義にすることにはデメリットもあります。
以下の2つのデメリットについて解説をいたします。
売却がスムーズに進められないことがある
売却することになった場合には、共同名義の場合は、自分だけの意思で売却することはできません。
持ち分の割合の多少にかかわらず、名義となっている人すべての同意が必要となります。
売却の際には、名義人全員の署名と捺印をすべてもらわないといけません。
また、夫婦で共同の名義にした場合、もっとも煩雑となるのが離婚をした場合の売却です。
住宅ローンを夫婦で支払っているのであれば、金融機関の承諾も必要となります。
また離婚のため、住宅ローンを2人で支払っていた分を、1人だけで支払うことになれば、大きな負担となってしまいます。
相続時に権利関係が複雑になる
共同名義者の1人が死亡すると、相続が発生します。
死亡した方の相続人が1人だけでしたら問題ありませんが、大勢の相続人がいる人であれば、共有名義者の数が増えることも考えられます。
名義人の数が多いと、権利関係が複雑になるために、売却がスムーズにいかなくなる可能性もあります。